COLUMN
中小・中堅企業の採用改善
求人媒体の最新事情

この記事を書いた人
PrimoPinguino株式会社 代表取締役
木下 峻一
採用改善の専門家。営業代行・事業立ち上げ代行の株式会社コンフィデンスで人事キャリアをスタートし、以降、IT企業(中堅)、コンサルティング企業(上場)、IT・DX支援企業(ベンチャー)で人事を務めた後、現職。「採用は営業」を信条とし、「営業代行で培った『売れるノウハウ』を『採れるノウハウ』に変換しての採用改善」に強みを持つ。東京商工会議所や全国の業界団体で「中小企業・中堅企業の採用改善」をテーマにしたセミナー・講演多数。
東京商工会議所ビジネスサポートデスク 専門家派遣制度 登録専門家
人的資本コーディネーター®検定 運営委員
シリーズ「採用難に勝つ(克)!中小企業・中堅企業の採用改善」(全10回)
10回目(最終回)の本記事では、番外編として、「求人媒体の最新事情」についてお伝えします。
※ 本シリーズ投稿は、商工会議所や業界団体で開催している採用力強化セミナーの内容の一部を再構成したものです。

営業代行の人事キャリア × 中途採用・新卒採用の最前線一筋10年超の知見
「採用改善の専門家」が、採用力・育成定着強化を、戦略立案から実行までワンストップで伴走支援
▼ このページの内容 ▼
求人媒体も"課金"の時代へ
閲覧課金型(クリック課金型)
応募課金型

従来、求人媒体の多くは、掲載時に広告料を支払ったり、あるいは採用成功時・入社時に年収の15~40%の成功報酬を払ったり、もしくはそれらのハイブリッド型であったりという料金体系が主流となっていました。もちろん、これらのプランは現在もありますが、それに加えて、閲覧数や応募数に応じて課金されるといった新たな料金体系が出てきました。
閲覧課金型は、その名のとおり、求人タイトルをクリックし閲覧されることで課金されていきます。マーケティング活動では、リスティング広告やSNS広告から問い合わせ客を獲得するやり方がありますが、それと同じ考え方によるものです。
応募課金型は、閲覧するところまでは課金されませんが、応募があったら課金されるというものです。(マーケティング活動で、コンバージョン課金と呼ばれるものです。)
費用としては、閲覧課金型だと1件(1クリック)あたり50~500円、応募課金型だと1名あたり1~3万円ほどです。この単価は採用難易度や競合他社の状況で変動します。なおかつ単価は定期的に見直し(改定)されます。
このような課金型プランを採用している求人媒体で有名なものとしては、「Indeed」「engageプレミアム」です。
また、最近では、「リクナビNEXT」や「タウンワーク」といった従来型の求人広告においても、閲覧課金型でのサービスを始めました。いずれもこれまでは高額な広告料(一例:約50万円・リクナビNEXT・4週掲載)を支払うようなプランしかなかったのですが、課金型プランの登場によって求人広告を使うハードルが少し下がりました。たとえば閲覧単価2,000円の場合、10閲覧されたら2万円の支払い(請求)が発生します。仮にもし、そのまま1人応募があって採用となった場合、払う金額は2万円のみといった感じに、求人媒体の費用を大きく下げることができる可能性があります。

課金型プランのメリット・デメリット
メリットは、採用できずに広告費用だけが流れてしまうというリスクが少し緩和されます。広告料として50万円かけて掲載したとしても、応募や採用について一切担保されません。誰も採用できなくても50万円がかかってしまうこともありえます。一方、課金型の場合、閲覧だけで応募につながらない場合、途中で止めることができるケースが大半です。ですので、適切な運用やチェックによって、費用の流出を最小限にすることが可能です。加えて、採用ハードルが低めの場合は、求人広告よりも安価に採用できる可能性があります。
デメリットは、採用に至るために必要な総閲覧数や応募数の予測が難しいため、採用できたとしても、採用費用が当初よりもかかってしまったり、採用完了前に採用費用が尽きてしまうといったこともあり得る点です。
まとめると、このようになります。
メリット
採用できずに広告費用だけ流れ出て終わる(掛け捨てになってしまう)リスクが減少
採用ハードルが低めな場合、求人広告よりも安価に採用できる可能性がある
デメリット
採用に至るために必要な総閲覧数(クリック数)や応募数の予測が難しい
採用できても、採用費用が当初よりもかかってしまう恐れ
採用完了前に、途中で採用費用が尽きてしまうことも
課金単価は年々値上がり傾向にあるので、中長期的には採用費用が膨らんでいくリスク
従来の求人広告掲載と比べると複雑化(求人を出してあとは待つだけ、というわけにはいかず、運用や検証改善が必要。)リスティングの考え方が必要になるケースも
課金型プラン 選び方&運用のコツ
ではどうやって選び、運用すればいいのか。クリック単価や1応募獲得のために必要な閲覧数や応募数はどれくらいかという風に考えたうえで、検証改善のタイミングと撤退ラインを決めて運用することをおすすめします。とくに重要なのは検証改善のタイミングと撤退ラインを【予め】決めておくということで、具体的には「予算消化●%の段階や掲載から●週間経過した段階で計画していた応募数が取れていない場合は、求人票の見直しをする or 一時停止 or 撤退をする」というような形で決めていきます。お金が流れてしまうこともあるかもしれませんが、それを最小限にしつつ、新しいやり方にトライしていく、そのような考え方でやっていきましょう。
まとめると、このようになります。
閲覧課金型(クリック課金型)の場合
募集職種の閲覧(クリック)単価はいくらか?(営業担当に確認するor システムでシミュレーション)
1応募獲得のために必要な閲覧数は?
他の求人手法で、1人の採用に至るために、何人の応募が必要だったか?
閲覧単価 × 1応募獲得に必要な閲覧数 × 1採用に必要な応募数
上の計算式で試算した採用費用と他の手法での採用費用とを比較
実行する場合、検証改善のタイミングと撤退ラインを決めておく
例:予算消化●%の段階で/ ●週間経過時に、計画していた応募数がとれていない場合は、求人票の見直しを実施する/ 一旦停止(撤退)する
応募課金型の場合
募集職種の応募単価はいくらか?(営業担当に確認するor システムでシミュレーション)
他の求人手法で、1人の採用に至るために、何人の応募が必要だったか?
応募単価 × 1採用に必要な応募数
上の計算式で試算した採用費用と他の手法での採用費用とを比較
実行する場合、検証改善のタイミングと撤退ラインを決めておく
例:予算消化●%の段階で/ ●週間経過時に、計画していた応募数がとれていない場合は、求人票の見直しを実施する/ 一旦停止(撤退)する
実際に私が支援した会社を例に、閲覧課金型の費用シミュレーションをしてみましょう。
閲覧単価が500円、1応募獲得に必要な閲覧数は20クリック、1採用に必要な応募数は10応募となると、500円×20クリック×10応募で、採用費用の試算結果は10万円です。これが、1採用に必要な応募数が増えたり、必要なクリック数が増えると、採用費用は膨らんでしまいます。こうなってしまうと、その金額によっては、閲覧課金型ではなく従来の掲載型のほうが向くかもしれないということもあるわけです。課金型は、採用ハードルが比較的低めの募集、つまり1採用に必要な応募数が少ない募集に向いているやり方になります。
応募課金型も考え方は同じです。応募単価が2.5万円の場合、10応募あれば25万円、30応募あれば75万円です。もし、30応募必要なのであれば、たとえば若手採用なら、それに特化した人材紹介会社(入社時成功報酬型)に80万円をかけたほうが確実かもしれないという判断ができるのです。
◯◯ありきで、事を進めない。必ず比較検証して、小さく始める!
前回のコラム記事「求人媒体はこうやって選ぶ!」で言及した内容と被りますが、画期的な採用方法や求人媒体が見つかったとき、つい、それありきで事を進めてしまうのは、実はよくあることです。手段の目的化といえば、ピンと来る方もいるかもしれません。まさにこれは、複数のコラム記事に亘って警鐘を鳴らしてきた「選択は一番最後に。まずは採用の戦略づくりや全体設計を。」ということにも通じてきます。
今回の課金型プランも、費用をシミュレーションし、他の方法と比較することが重要です。その結果、実行するとなった場合でも、小さく始める、スモールスタートが肝心です。
求人媒体の選定のポイント(再掲)
STEP 1:人材像を決める
募集職種における求める人材像を決める。
人材像を決めるときは、「職務スキル」、「職務遂行スタンス」、「全社スタンス」の3つの観点で。
STEP 2:媒体をピックアップする
募集職種に合いそうな媒体を複数種ピックアップする。
求人広告掲載型、ダイレクトリクルーティング型、それぞれでピックアップ。
最初から求人広告ありき、ダイレクトリクルーティングありきで進めない!
STEP 3:情報を集める
ピックアップした媒体の情報を集める。
媒体サービスページ、資料ダウンロード、商談
STEP 4:比較検討する
求める人材像がデータベースにどれくらいいる?
媒体側が提示する採用確度(予想、ヨミ)は?
想定される採用コストは?費用の掛け捨てリスクは?
STEP 5:スモールスタートする
選定した媒体を、小さくはじめる。
効果がまだわからない媒体、とくに掛け捨てリスクのある求人広告は、長期契約や回数券購入、ポイント購入は絶対にしない!
本記事のまとめ
求人媒体も"課金"の時代へ
閲覧課金型(クリック課金型)
応募課金型
課金型プランの運用のコツ
費用シミュレーションが肝心。次の計算式で試算する。
・閲覧単価 × 1応募獲得に必要な閲覧数 × 1採用に必要な応募数・応募単価 × 1採用に必要な応募数
他の採用手法と比較検討する(効果、費用、リスク)
実行する場合、検証改善のタイミングと撤退ラインを【予め】決めておく。
例:予算消化●%の段階で/ ●週間経過時に、計画していた応募数がとれていない場合は、求人票の見直しを実施する/ 一旦停止(撤退)する
◯◯ありきで、事を進めない。必ず比較検証して、小さく始める!
選択は一番最後に。まずは採用の戦略づくりや全体設計を。
求人媒体も、今後生き残りをかけて、様々なプランを出してくることと思います。そういった求人媒体の最新事情(トレンド)を押さえておくことは、採用を改善していく中でキーとなることがあります。「いままでやってきたやり方が、なんかうまくいかなくなってきた」そんな時には最新のトレンドも当たるようにしてみると、そこに突破口があるかもしれません。
シリーズ「採用難に勝つ(克)!中小企業・中堅企業の採用改善」は、10回目の本記事をもって最終回となります。お読みいただきまして、ありがとうございました。
皆様の会社の採用成功と、採用した方の活躍&定着を願っております。
もし、当社の力が必要なときは、お気軽にご相談ください。

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