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COLUMN

2025/3/19

中小・中堅企業の採用改善

ストーリー編:戦略編で整理した内容を求人票や会社紹介に落とし込む

この記事を書いた人

PrimoPinguino株式会社 代表取締役

木下 峻一

採用改善の専門家。営業代行・事業立ち上げ代行の株式会社コンフィデンスで人事キャリアをスタートし、以降、IT企業(中堅)、コンサルティング企業(上場)、IT・DX支援企業(ベンチャー)で人事を務めた後、現職。「採用は営業」を信条とし、「営業代行で培った『売れるノウハウ』を『採れるノウハウ』に変換しての採用改善」に強みを持つ。東京商工会議所や全国の業界団体で「中小企業・中堅企業の採用改善」をテーマにしたセミナー・講演多数。

東京商工会議所ビジネスサポートデスク 専門家派遣制度 登録専門家
人的資本コーディネーター®検定 運営委員

シリーズ「採用難に勝つ(克)!中小企業・中堅企業の採用改善」(全10回)
5回目の本記事では、「ストーリー編:戦略編で整理した内容を求人票や会社紹介に落とし込む」についてお伝えします。

※ 本シリーズ投稿は、商工会議所や業界団体で開催している採用力強化セミナーの内容の一部を再構成したものです。


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GUNSHI採用顧問・人事顧問


▼ このページの内容 ▼

戦略編で整理した内容を、求人票や会社紹介に落とし込む

  • キーワードは、「わくわく」「ちょっと気になるな」「この会社良さそうかも」

  • 想いを表現する(理念、パーパス(企業の存在意義)、ミッション、ビジョン、バリュー)
    「自社の事業への想い」「社員への想い」「社会への想い」

  • 仕事内容を具体的に(イメージを呼び起こせるように)

  • 仕事/この会社で働く面白いみや楽しさを伝える

  • 枠いっぱいに、強みや特徴、メリットをPRする

ポイントは、「共感」

4つのSのうち、1つ目のSでは、戦略、すなわち戦い方の方向性やコンセプトを決めました。続く2つ目のSは、ストーリー、戦い方の方向性やコンセプトに基づいて、求人票や会社紹介を作っていきます。この2つは、求職者の方にとっては、一番最初の企業との接点です。ただ仕事内容を書く、会社概要を書くだけでなく、ストーリーを意識し、ぜひこだわって作ってみてください。

このときに重要となるのが、「共感」です。求職者に魅力を訴求するとともに、「共感」を持ってもらえるような内容を発信してください。

その一例として、想いを表現することをおすすめします。「自社の事業への想い」「社員への想い」「社会への想い」です。理念、パーパス(企業の存在意義)、ミッション、ビジョン、バリュー、そういったものも表現してください。また、CSRやSDGsに対する考え方や取り組んでいることの発信も有効です。とくに、若手、Z世代は、給与待遇や仕事内容に加えて、こういった想いの部分もしっかりと見ています。

よく聞かれるのが、「すでに経営理念はあるのですが、新たにパーパスを作らないといけないですか?」というもの。結論、経営理念だけでも十分であり、必ずパーパスを作らないといけないというものではないと考えています。もちろん、経営理念と企業の存在意義は異なりますし、パーパスを新たに定義することや見直すことは決して悪いことではありませんが、パーパスを作ることで採用課題がすべて解決できるほど甘いものではないということは念頭に置いておく必要があります。この採用難の時代においては、いま持っている資産を活かしながら、すぐに強化できる領域を強化する方法で戦いつつ、随時弱みを補強していく方法が、中小中堅企業には向いています。ただし、経営理念を額に入れるだけでうまく活用できていない・組織や社員に落とし込まれていない場合や今日の事業実態に合っていない場合は、採用だけでなく人材育成、組織強化の観点からも、メンテンスやバージョンアップはしておいてください。

仕事内容は、具体的に、イメージを呼び起こせるように

求人票に記載する仕事内容は、具体的に、イメージを呼び起こせるように書きつつ、その仕事におけるおもしろみや楽しさ、やりがい、意義を伝えていきましょう。とくに若手の方を採用したい場合や未経験者を採用したい場合には、仕事内容を具体的に書くことは非常に重要です。

【採用改善の専門家】として、300社を超える中小企業・中堅企業の採用の現状を見てきた中で、よく見かけるものがあります。それは、求人タイトルの欄に「営業職」としか書いていない求人票です。間違いはないのですが、それでは求職者がイメージしづらいのです。また、一口に営業といっても、個人営業なのか法人営業なのか、無形商材なのか有形商材なのか、新規営業なのかルート営業なのか・・・これだけ種類があります。求人タイトルを見ただけで、なんとなくでいいのでイメージができること、魅力を伝えようとすることが重要です。求職者が「ちょっと見てみたいな」と思ってもらえるかどうかが鍵です。

そして、枠いっぱいに強みや特徴、メリットをPRしてください。求人広告には文字数制限があります。「この段落は200文字まで」といったように細かく決まっていたりしますが、可能であればそこは使えるだけ使ったほうがいいです。枠いっぱいというのは、テキストだけでなく画像もそうです。「画像は最大10枚まで」となっている場合、「うちは写真がないから」と3枚くらいしか載せないということではなく、何か仕事をイメージできる画像を用意していただき、効果を最大化してください。

求人票を作ったら、一晩寝かせる

出来上がった求人票、すぐに掲載を開始したくなる気持ちはよくわかりますが、ここはあえて、一晩寝かせてください。時間を置くのではなく、寝かせる(作成した人も寝る)ことが重要で、翌日、まっさらな状態で、なおかつターゲット(求職者)になりきって、その視点で求人票をチェックしてみてください。作ったばかりのときにチェックをしても、当然それが最適解だと思って作っているので、チェックをしても、直しを入れるべき点を見落としてしまうことも。一晩寝かしてから(ご自身も寝てから)チェックをすると、これを防げるので、一度やってみてください。

ここからは、戦略編1で取り上げた経理スタッフなどの事例を使って、もう少し詳しく説明したいと思います。

 

事例1. 経理スタッフ求人

戦略編1で取り上げた経理スタッフです。作ったコンセプトは、「時短勤務OK!1日4時間~・週3日~の経理スタッフ」です。これに基づき、50文字まで書ける求人タイトルでは、「経理スタッフ 短時間正社員・1日4時間×週3日・土日祝休(請求書作成や支払業務等。職場復帰にも◎)」と記載。コンセプトを全面的に押し出し、そういったことを求めている求職者の皆さんに刺さるようにしました。また、求人票の中では、同じく戦略編1の中で洗い出した仕事内容を具体的に書いています。加えて、この会社はベンチャーから引き合い多数の成長企業だったため、勢いのある環境にわくわく感を感じてもらえるような作りとしました。

実際に、この求人で採用することができたのは、30代後半~40代の女性の方でした。お二方とも。以前企業で経理のチームリーダー等で活躍されていた方で、お子さんが産まれたタイミングでご家庭に入られて、大きくなってきたのでもう一度社会に出たいと思っていたという方で、まさにコンセプトに合った形での採用となりました。

事例2. 企画営業求人

もう1つ事例をご紹介します。イベント企画営業の仕事です。求人タイトルには「企画営業」とだけ書かれており、この状態では、埋もれてしまったり、求職者の目に留まらず"流されてしまう"ため、当社で求人票改善をご支援させていただきました。

コンセプト立案を通じ、ターゲットを企画提案型の営業をしたい若手と設定。それを受けて、求人タイトルは少しだけキャッチーに、また若手は「これなんだろう?」「おもしろそうだな」と感じてもらえるような記載とし、「イベントをプロデュース」という文言を含めました。この求人が、40~50代をターゲットにしたものであれば、カタカナ語を避けて「イベントの企画営業」と書いたほうがいいかもしれませんが、今回は若手をターゲットとしているので、「おもしろそう」「なんだろう?」と思ってもらえるようにあえて「プロデュース」という言葉を使う改善を実施しました。そのうえで、仕事内容も具体的に記載し、求職者の不安や知りたいことも先回りして発信するように変えました。

改善前は応募がなかったところ、改善後は5人の応募があり、うち1人に採用決定を出すことに成功。コンセプトどおり、若手営業の方を惹きつけることができました。

本記事のまとめ

戦略編で整理した内容を、求人票や会社紹介に落とし込む

  • キーワードは、「わくわく」「ちょっと気になるな」「この会社良さそうかも」

  • 想いを表現する(理念、パーパス(企業の存在意義)、ミッション、ビジョン、バリュー)
    「自社の事業への想い」「社員への想い」「社会への想い」

  • 仕事内容を具体的に(イメージを呼び起こせるように)

  • 仕事/この会社で働く面白いみや楽しさを伝える

  • 枠いっぱいに、強みや特徴、メリットをPRする採用したい人物像を明確にする4ステップ

ポイント

  • 共感を得られるように。ターゲットとなる求職者から『いいね!👍️』と思ってもらえる内容に

  • 作ったら一晩寝かせる。翌日、まっさらな状態かつターゲット(求職者)になりきって、内容をチェック

求人票は、求職者にとって会社との最初の接点。ですから、労働条件だけではなく、想いや仕事内容、知りたいことを先回りして書き、なおかつそれをストーリーとして伝えることが重要なのです。

次回は、「スタンス編:『本気』『誠実』『スピード』『選ばれるように』」をお届けします。


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